節気便り
2025.01.20
大寒
節分
二十四節気では「大寒」の頃──、
雪に覆われた大地から、蕗の薹が顔を出し始めます。
大寒とは、一年のうち最も寒さが極まる頃のこと。
寒気やこの時季に汲む「寒の水」を利用して、
酒や味噌などの寒仕込みが行われます。
二月二日は、節分。
豆撒きや供え物をして邪気を祓い、
新たな年によい気が巡るように祈りを込めます。
節分とは、“季節を分ける”ことを意味し、
本来は立春、立夏、立秋、立冬の前日を指すもの。
なかでも旧暦では立春が一年の始まりとされたことから、
春の節分が重んじられるようになりました。
節分の慣わしと言えば、豆撒き。
古くは季節の変わり目には邪気(鬼)が生じると考えられ、
「追儺(ついな)」と呼ばれる厄祓い行事が行われたことに由来します。
鬼とは「隠(おぬ)」や「陰(おん)」の音が転じたもので、
“姿が見えないもの”や“この世ならざるもの”という意味。
古の人びとは災害や疫病など、人の想像を超える災厄を、
鬼の仕業によるものと信じたそうです。
豆は“魔滅”に通じ、身体が健康で丈夫という意味もあることから、
節分に豆撒きをして邪気を祓い、一年の無病息災を祈るようになりました。
節分に用いる豆は「福豆」と呼ばれる縁起物で、
枡や三方に入れて豆撒きの直前まで神棚に供えておきます。
また、この福豆とともに昆布や梅干を湯呑みに入れ、
お湯やお茶を注いだものを「福茶」と呼び、
福を招くよう祈りを込めていただきます。
節分には、鰯の頭を焼いて柊(ひいらぎ)の枝に刺し、
家の戸口に飾る「柊鰯」の風習も。
焼いた鰯の強い臭いと、柊の葉のとげで鬼を追い払う意味合いがあり、
地域によっては「焼嗅がし(やいかがし)」とも呼ばれています。
邪気を祓って心身を清め、健康を祈る節分の慣わし。
立春からの新しい年に大きな福を呼び込めますよう。