節気便り
2026.01.05
小寒
七草
二十四節気では「小寒」の頃──、
凍てつく寒空の下、蝋梅の香りが漂い始めます。
小寒とは、寒さが極まる少し手前という意味。
この日から節分までの約三十日間は「寒の内」にあたり、
一年のうちで最も寒さが身に沁みる時季です。
一月七日は、人日(じんじつ)の節句。
「七草の節句」や「七草正月」とも呼ばれ、
七草粥を食して無病息災を祈る風習があります。
古代中国では、正月七日に七種の若菜を入れた汁物
「七種菜羹(しちしゅさいかん)」を食すと、
万病を逃れるとの言い伝えがありました。
日本においては、年の初めに野に出て若菜を摘む「若菜摘み」や、
七種の穀物を入れた粥を食して無病息災を祈る風習があり、
これが結びついて七草粥が食されるようになったそうです。
七草粥に用いられるのは、早春の野に芽吹く
せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、
すずな(蕪)、すずしろ(大根)の七草。
古くは六日に七草を摘み取り、七日の朝に粥に入れて食すことで、
萌え出た若菜の生命力を身体に取り込み、一年の邪気を祓いました。
七草粥には、冬場に不足しがちな栄養を補い、
正月の祝膳や祝酒で疲れた胃腸を労わる意味合いがあります。
また、七草それぞれに縁起担ぎとなる語呂合わせがあり、
せりは「競り勝つ」、なずなは「撫でて穢れを除く」、ごぎょうは仏様の体を表す「御形」、
はこべらは「繁栄がはびこる」、ほとけのざは「仏の御座」、
すずなは神様を呼ぶ「鈴」、すずしろは「汚れなき清白」を意味し、
これらを食すことで健康や幸福を祈りました。
七日には「七草爪(ななくさづめ)」という慣わしもあり、
七草を茹でた汁に指先をつけて爪を切ると、
その年は病にかからないと言われているそうです。
古くから生薬として重宝され、冬場の滋養にもなる七草。
長い冬を越えてようやく兆した生命の息吹を喜び、
一年の健康を祈る七草の祝いを。